「徒党を組む・取り巻きを連れる」

2010年8月1日

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武士道ワンポイントレッスン
19回目のテーマは「徒党を組む・取り巻きを連れる」
自分に自信のない人ほど徒党を組みます。
“取り巻き”も“徒党を組む”のは似たり寄ったりで、かわりはありません。
つまり一人で何かをすることが苦手で、いつも誰かを連れていなければ何もできない人なのです。
本人はそれを対外的には認めませんが、よくよく考えれば心の中で納得するはずです。
同じ部下を連れて歩くのでも、秘書を連れて歩くのと、取り巻きを連れて歩くのは全く違います。
取り巻きはお世辞が上手ですし、絶対に逆らいません。
秘書は意見を言います。言わないような秘書は秘書として役に立ちません。
とりまきが必要な人は権威志向が強かったり、一人で交渉したり、一人で成し遂げたりする自信がない人でしょう。
取り巻きを連れている人は、たいてい弱い人を一人攻撃します。
そして、異性には弱く、権力に弱いから、力のある人にはペコペコしているのが特徴です。
それでは、逆に一匹狼を豪語する人、この人はコミュニケーション能力が不足している人です。
我慢や譲歩、和を保つ事が苦手な人です。
一人でやっていれば調和を図る必要はなく、総てお金で解決できます。
でも人間は、他者の力借りずには何もできません。
本物のジャングルで一匹狼ならすごいと思いますが、都会のジャングルではたかが知れています。
つまり、自給自足ができずに一匹狼などと言うのは、感謝ができないということですから恥ずかしい事です。
都会でも自給自足をしていると言う人は、苗も、種も、買って調達することがあってはなりません。
お金を全く使わないで生活する事が人との接点を絶った自給自足になります。
もう其の時点で他人の力を借りていることになるからです。
人との接点を絶って自分の働きで生きていることは自立(経済的)とは言わず、自己のわがままを認識できていない結果といえるでしょう。
それほどまでに、人間は自分以外の生き物により支えられているのです。
それを理解して、感謝して、恩返しをしたいと思うことが、人間として自力本願であり自律(精神的)しているといえます。
つまり、両極端にはすることは、どちらも良い事ではなくなってしまうという事です。
徒党を組まず、取り巻きを連れず、かといって一匹狼でもなく、みんなと仲良く和を保ちながら一人で何でもできる人。
これが中道を行っていますから、自立も自律もしている人と言えましょう。
是非、総てのことを人を頼らずに一人でやろうと決心してみてください。
そして、コミュニケーションを充分とっても他者に頼らず、総てを一人でやろうと思ってください。
そうすると、何かを一つでもしてもらったら嬉しさがこみ上げてきます。
その時は素直に「ありがとうございます」と言いましょう。
感謝のできる人は、最高のコミュニケーション能力を身につけています。
取り巻きを連れていたり、徒党を組んでいると、どうしても他力本願になります。
そうなるとやってもらえないと文句を言うようになります。
自信がつけば、総てを一人でやろうという気持ちが湧いてきます。
自信は他者に親切をして、ありがとうといわれる事が多くなれば自然と自信がつきます。
自信がないのは自分の事ばかり大切にしているからです。
自分のことを大切にするという中には、良く思われたくて我慢しているのも自分のためですから、入るのです。
同じ我慢も他者のためにしなければなりません。
ぜひもう一度考えてみて、和を尊び、感謝を忘れない生き方をしてください。
それが武士道です。

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