◎相談◎自信を持って後輩を指導できない…

2010年6月30日

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相談コーナー 武士道精神で『悩みに答える!』 第五回
【相談】
春から後輩が入り
最近の私の大きな課題になっています。
本当にあのフォローで良かったのか、
本当に本人のためになっているのか、身になっているのか?
…考え出すとどんどん自信がなくなってきます。
忙しければ忙しいほど
後輩は全く悪くないのに一人でイライラしてしまったりもします。
そもそも自信がないということは
やはり自分本位になってしまっているのかなと思います。
一人で考えていても
結局後輩にとって1番の答えが出てこないと思うので、
アドバイス頂けたらと思います。

【解答】
一生懸命考えて、言い方を工夫したり、理解してもらえるようにと努力していても、思ったような結果が出ていないと感じた時、「指導方法が悪かったんだ」と自責の念に駆られてしまうのは、だれでも経験していることです。
そして、考えれば考えるほど「なぜ分かってもらえないのだろう」「自分の指導は聞きたくないのだろうか」というような、責める思いが頭を占めてくることもあります。
この責める気持ちを鎮めるために、自分が間違えていたのではないか・・・と自分を責めて否定してしまう。
ましてや自分にも上司がいて、先輩がいて、何かを指示して失敗した時には上司や先輩に迷惑をかけてしまう、と思ったらなおのこと、自分を否定して押さえてしまうこともあります。
それは最終的に大きなストレスになって、動けなくなってしまうこともあります。
あなたは、部署全体のチームワークを考えて、後輩の仕事の仕方を指導しなければならない立場の様にお見受けします。
あなたが注意をしたこと、指導をしたことを、後輩は総て言いなりになっているでしょうか?
後輩は後輩なりに考えて、自分で良いと思ったようにやってはいませんか?
言いなりになっているのも、後輩なりに考えて変化を加えているのも、これはどちらも後輩が決定して実行したことです。
あなたは、自分の損得を抜きにして、チームワークを考えて注意を与えたなら、その後のことは後輩にバトンタッチしてはいかがですか?
後輩とて大人ですから、責任を取ることだってできるはず。
要は良くなろうとしてあなたの意見を受け入れるのも、変わろうと努力するのも後輩次第です。
つまり、あなたの言葉を聞いてどうするかを決めるの選択権は後輩にあるということです。
選択権があるということは、当然責任も負う必要があるのです。
あなたはあなたが考えた一番良いと思うことを伝えるときに、後輩が受け入れやすい言葉を選んだり、気持ち的に受け入れやすいタイミングを選ぶことに、気持ちを集 中した方がよいのではありませんか。
後輩が受け止めた後のことを、あれやこれや考えているよりも、伝える時にひと工夫した方が先が開けるというものです。
例えば後輩には
「こういうやり方もあるの知っていた?」と軽く聞いてみてはいかがでしょう?
「私(僕)の時、最初分からなくて先輩に教えてもらって分かったから、もしかしたらと思って声をかけてみたんだ」
というような言い方で、話を聞くか聞かないかを選択させてもらえるなら、後輩だってありがたいと思うはずです。
ここで 私(僕)は、としたのは、意外と 私(僕)も、といってしまがちだからです。
この「」を使うのは「できなかった私と後輩も同じ」と暗黙の内に伝えていることになります。
だから後輩に「先輩は自分のことをできないと思っているんだ」と思わせてしまうんです。
意識的に「」を使って、後輩は分かっているかもしれないけど、と肯定した言い方で語りかけていくと、後輩も素直になりやすいものです。
それでも後輩が機嫌を損ねたりしするようなら、それは後輩の性格が素直でないということ。
気にしないでやり過ごしてしまった方がいいです。
後輩にとってどれが一番良いかは、後輩自身が決めることです。
例えあなたの言いなりになって失敗したとしても、あなたの指導が悪いのではなく、そのやり方がその後輩には合っていなかった、或いは、総て言いなりではなく部分的に変えていたということも有り得ます。
それなら次は別のやり方をしてみようと、あなたは先輩としてもう一度一緒に考えてあげる、これが積極的思考ですし、また責任を果たしたことになるのではないでしょうか。
何度もやり直しながら進歩していくのが人間なのではないでしょうか。
後輩に指導をして、失敗していない内から後悔して、自分を責めて、ストレスになる。
これはマイナス思考だとおもいませんか? 
これでは自分は能力がないからと自己否定して、何も言わずに我慢するのが一番だと非自発的態度になってしまいます。
これでは会社が良くなりません。
後輩に指導して、それが失敗だったら直ぐに別のやり方を考える、その時後輩の性格や能力も考える、そして、後輩が不安にならないように応援しながら一緒に成果を喜ぶ、これならストレスは起きません。
誰でも最初から必ず成功する方法を知っているくらいなら、苦労もなければ人生という学びすら不要になってしまいます。
努力した結果なら失敗は大手を振って受け入れましょう。
そして、その苦い思いから学ぶことは沢山あるはずです。
後輩だって、先輩はまるで自分のことの様に考えてくれる人だ、と思ってくれるはずです。
ポイントは、損得勘定(悪く思われたくない、失敗したくないなど・・・)を抜いて、後輩のことを自分の家族の様に思ってください。
きっと後輩にとって必要なことを言えるはずです。
一般的に答えましたので、もし違うと思ったらもう一度質問してください。
納得いくまで一緒に考えましょう。

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