「武士道と経営」その2

2010年11月1日

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26回目のテーマは「武士道と経営」その2
10月1日の武士道ワンポイントレッスン「武士道と経営」その1 で掲げた問題の答えです。
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経営者の4つタイプ
① バランスシートとにらめっこをしながら、節約を言い渡す人
② グループを作り、チームごとに費用対効果を競わせる人
③ 成果が上がったらその都度上乗せして手当を出して、意欲を上げようとする人
④ 社員と一緒になって働き、朝も誰よりも早く出勤し、一緒に掃除もして後ろ姿を見せる人
果たしてどの経営者が一番業績を上げることができるか考えてみてください。その理由も考えましょう。

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答えは、②です。
 一時、勝ち組負け組という言い方がかなり流行りました。それは、日本人が勝ち負けをかなり意識しているからに他なりません。ですから、1対1で競争をすることを考えるだけで意欲がなくなってしまう人がいるはずです。「競争が嫌いだから競争をしない」という人に限って競争心がとても強いのです。だからこそ、負けたくないから、負けることを考えるだけでも不安になるから、競争そのものを避けてしまうのです。だから、競争が嫌いなのではなく、競争で負けたくないのです。また、勝つまでの努力もするのが嫌だというのが本人すら気づいていない、深層での本心でしょう。人間の心理というのは不思議なものですね。
 その様なわけで、グループごとに戦わせられたら、負けても仲間がいます。一人で悔しさを味わう必要がありません。そして、勝つための努力も一人で黙々としなければならないということもなく、協力しながらできます。これがグループでなく個人であった場合は、裏切られそうだったり、出し抜かれそうだったりして、なかなか本音で話して協力することなどおいそれとできやしません。グループですと、その点リラックスしてゲーム感覚で競争ができるのですね。
 その時、成果で競い合うと「不公平だ」と何かにつけて不満が出ます。ところが費用対効果ならば、節約と命令しなくても節約したくなるのが人情です。費用対効果で戦うとは、人件費、光熱費、家賃、諸経費などすべてを時間割して金額を出し、売り上げなども時間で割って一時間あたりの売上高を出しておきます。そうすることで働いたことにより、儲けが出たのか余剰がでたのか明確になります。それによって、働き具合が明確になるのです。あまりに恵まれた環境を作るよりも、間違いなく成果が出ます。もちろん、仕掛け方も大切ですから、視点を沢山持っていないとなりませんけどね。
① は意欲をなくしてしまいます。ケチとか、うるさいと思われてしまいます。
② ―
③ では、お金を出さないと働かなくなります。またお給料をもらってもありがたいと思わなくなり当たり前になってしまいます。何か用事を言いつけると、いくらくれるの? という感覚で、楽しく仕事をする雰囲気ではなくなります。
④ は、余程社長自身が信念を持って取り組むのでなければ、社長がやってるなら、やっていてもらえばいいか・・・・と社員がなった時に、社長自身がイライラするだけです。また軌道に乗せるまでには、とても長い年月がかかりますから、それを覚悟でやれるのなら良いでしょうが、下心を持って始めるならやめた方が良いでしょう。
 仕事は楽しくすれば遊びよりも達成感を得られて面白くなります。だからこそ、ゲーム感覚で取り組める方法を見つけるのは、子供用の勉強教材だけではなく、大人の仕事の世界にも通用するということです。

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