五箇条のご誓文

2010年11月30日

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31回目のテーマは「五箇条のご誓文」
昨日、明治神宮を参拝して、もう木々が紅葉していて、散歩にはちょうど良い季節でした。外人の参拝者が多かったです。カラスと一緒に和装の男の子が遊んでいると、外人さんが何人もで写真を撮っていました。男の子は自分を撮られているわからず無邪気に遊んでいました。きっと珍しいのでしょう。
伝統というものが如何に素晴らしいか、外人の興味によって改めて深く感じました。明治神宮という神々しい場所だからでしょうか、道すがら声を掛け合うこともしばしばありました。国と国は揉めていても、そこの国民には親友もいるし、恋人にしている人もいるかもしれません。そう考えると、やはり仲よくするために努力をすることが一番だと思うのです。国同士の仲よくするということを「平和」という言葉で表します。
「平和とは、心に浮き沈みがなく平らけく安らかに落ち着いていて、周囲との和が保ててい状態」という意味を持っています。
平和は左翼と言われる人たちだけが使う言葉ではありません。仲よくするには、平和を維持するには、人間一人一人が努力をしなければならず、ただ何も考えずに過ごしていては「仲よく=平和」の状態を維持することはかなわないのです。「仲よく」するために「武士道」という心の在り方が、今は世界に、つまり、地球上の人類すべてに備わっていると良いと思えるから、武士道を推進しています。武士道は戦争をするための心構えでもなく、生きる上で気持ちを落ち着かせ、冷静な判断をし、他者に迷惑や不快な思いをさせないように生きるための考え方といえましょう。
昨日掲載した教育勅語も、今日掲載する五箇条のご誓文も、世界に通用する素晴らしい教えですね。このような教えが日本にあることを私は誇りに思い、外国籍(外人)の大切な友人に贈ることにしました。日本の政治家の方々に、ぜひいつも胸にご誓文を入れてお仕事をして頂きたいと思います。特に総理大臣に望むところです。
明治神宮で求めてきた教育勅語の裏に書いてありました。
五箇条のご誓文
一.広く会議を興し、万機公論に決すべし。
一.上下心を一にして、盛に経綸を行ふべし。
一.官武一途庶民に至る迄、各其志を遂げ、人心をして倦(うま)ざらしめん事を要す。
一.旧来の陋習を破り、天地の公道に基づくべし。
一.智識を世界に求め、大に皇基を振起すべし。
我国未曾有の変革を為んとし、朕躬(ちんみ)を以て衆に先じ、天地神明に誓ひ、大に斯国是を定め、万民保全の道を立てんとす。衆亦此旨趣に基き協心努力せよ。
明治元年三月十四日
「五箇条のご誓文」意訳(口語文)
一.広く人材を求めて会議を開き議論を行い、大切なことはすべて公正な意見によって決めましょう。
一.身分の上下を問わず、心を一つにして積極的に国を治め整えましょう。
一.文官や武官はいうまでもなく一般の国民も、それぞれ自分の職責を果たし、各自の志すところを達成できるように、人々に希望を失わせないことが肝要です。
一.これまでの悪い習慣をすてて、何ごとも普遍的な道理に基づいて行いましょう。
一.知識を世界に求めて天皇を中心とするうるわしい国柄や伝統を大切にして、大いに国を発展させましょう。
これにより、わが国は未だかつてない大変革を行おうとするにあたり、私はみずから天地の神々や祖先に誓い、重大な決意のもとに国政に関するこの基本方針を定め、国民の生活を安定させる大道を確立しようとしているところです。皆さんもこの趣旨に基づいて心を合わせて努力してください。
発行:明治神宮社務所 平成22年10月

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